HACCP(ハサップ)が運送業界に与える影響は?

知識紹介

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今回はHACCP(ハサップ、ハスップ)が運送業界に与える影響と題して、HACCPの内容、運送の品質について記載をさせて頂きます。

・結論

最初に結論を申し上げますと運送業としては保健所への届け出義務がない為、HACCP対応する必要はないが、運送業を行っている企業も対応を検討したほうが良いという結論となります。

・HACCPとは?

上記結論づけた理由をHACCPの内容を踏まえましてご説明させていただきます。

HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で厚生労働省が定める衛生管理手法で特に製造・管理工程の中で異物混入や菌の混入を防ぐための手法です。

本手法では原材料の入荷から製品の出荷までが工程とされており、2021年6月までに全ての食品等事業者の導入が必要となっており、保健所への届出が必要とされております。本情報だけを見ると出荷工程が、運送業が担う工程となっており、対応が求められることのように見えます。

・対象外となる業種

一方で、公衆衛生に与える影響が少ないと思われる業種については、保健所への届出の必要はないとされており、その業種の中に輸送業(運送業)が含まれているため、対応する必要はないと考えられます。現にこういった背景もあり、輸送業界におけるHACCP対応の手引き等の整備は行われておりません。ただし、運送業を行っている方でも気を付けなければいけないのが、冷蔵・冷凍倉庫業を営んでいる場合は、届出が必要となります。

・今後運送業界に影響はあるのか?

所見となりますが、HACCPでポイントとなるのは製造・管理する工程で環境の変化や人が手を加える事による品質劣化等が起きない環境づくりということかと思われますので、こういった変化を起こしづらい業界である運送業界は現状では対象として捉えられていないと思われます。そのため、対応の手引き等が存在しません。

一方で荷主である企業はHACCPに対応している企業がほとんどかと思います。現状は、品質の管理自体は荷主に責任があり、運送会社は荷主の指示に従って管理を行う事となります。この関係を考えると今後更に規制が厳しくなった際や品質管理に厳しい荷主からHACCPに対応する形での運送中の荷物の管理を求められることが出てくるかもしれません。また、品質管理については、段々と厳しくなる傾向である為、そもそも運送会社へのHACCP対応を厚生労働省が求めてくる可能性もありえます。それでは、運送会社がHACCPに対応するにはどうしたらよいのでしょうか?

・今後の運送業界の想定される対応方法

運送会社への対応について、明確にされていないことは上述しましたので、HACCPの目的に沿って運送業界に求められるであろう対応について検討していきます。

まず、第一に考えられるのが運送中の異物の混入を防ぐということです。トラック庫内で菌の発生を防ぐための洗浄、清掃を行う事による庫内衛生の管理、防虫防鼠の為の設備設置等が考えられます。また、環境変化による品質の劣化という点において、温度・湿度管理の徹底は必要になってくると考えられます。運送会社としては、それらを記録化しレポートとして提出することが求められるかもしれません。また、配送完了時の品質検査等が発生する可能性もあります。

これらを求められたうえで再発しないような対策を打っていく必要が出てくると思われます。上記以外にも対応事項が出てくるかもしれませんが、今後の品質管理の厳格化を考えると今行っていけることを行っていくことが必要になってくるのではないでしょうか?

ニュー多摩運輸では荷主様の商品をどれだけ同じ状態で配送先のお客様に届けられるかということを検討しながら日々運送を行わせていただいております。

今後も変化していく状況・問題に目を向けて荷主様に安心して運送依頼頂ける体制づくりを行っていきます。

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